子どもは親が思っている以上に傷つきやすい
──小学6年生や、中学3年生など、受験期の子どもは夏休みでも塾などで忙しく、休みなのにストレスが増えてしまうのではないでしょうか。
石井:受験勉強は避けられませんし、志望校に合格するために頑張って勉強することは素晴らしいことです。ただ、受験の合否で人生が決まる、あるいは失敗したら人生がダメになる、というような声かけは絶対にしないでください。
受験の本来の意義は、「志望する学校に通って、自分の人生を豊かにする」ことです。それを準備の段階で絶望してしまっては本末転倒です。子どもは親が思っている以上に繊細で、親の言葉に傷つきやすいものです。
──多くの大人は自分が子どもだった頃と比べて、「自分の時はこうだった」とか「自分も我慢できたんだから」などと思ってしまいがちです。
石井:社会全体で不安感が高まる中、子どもという一番弱い存在に皺寄せがいってしまっているのではと懸念しています。子どもは親御さんとは別人格である、ということを大前提として、子どもには子どもの人生があることを認めてあげる必要があります。ぜひ、子どもが夏休みを謳歌できるよう、あたたかく、おおらかに見守ってあげてほしいですね。