思春期の中学生も「まだ子ども」
──宿題についてはいかがでしょうか。「全く勉強しない!」と不安になっている親も多いのでは。
石井:夏休みの宿題は、最終週にまとめてやるか、最初の週にすませてしまう子どもが多いですよね。一番学力が身に付く「毎日コツコツ」やれる子どもは少数派です。
ですから、自分の子どもがコツコツできなくても大目に見てあげて下さい。一番良くないのは「親がその日の過ごし方や勉強のルールを決めて、それを子どもに承認させる」というやり方です。これでは自主性が身に付かず、「やらされ感」だけが残ってしまいます。
理想は子ども自身に勉強のルールを決めさせて、それを親が支援する、という方法です。自発的に行動できるようになり、知的好奇心も高まります。本来、分からなかったことが分かるようになる勉強はとても楽しいことです。しかし、「やらされ感」が大きいから、子どもは嫌になってしまうのです。
──子どもが中学生の場合はいかがでしょうか。
石井:中学生特有の事情としては、非常に子どもの不安感が近年強まっていると感じることです。同調圧力が学校や社会全体で高まっている気がします。少し周囲よりもおっちょこちょいだったり、うるさかったり、静かすぎたりするだけで、コンプレックスを抱えてしまう中学生が増えているのです。
いくら思春期だとはいってもまだ子どもです。中学生でも親に話を聞いてほしい、見てほしい、という気持ちは強く持っています。自分から親に話しかける回数は小学生の時と比べると減ると思いますが、話しかけてきた時は、しっかりと聞いてあげて下さい。
そうすると思春期の中学生でも、「親は自分のことを理解してくれている」と安心します。コミュニケーションが増えると、親も子どもの性格や性質を理解しやすくなります。夏休みにしか、ゆっくり子どもと日常を過ごすことができない親御さんも多いと思うので、この機会を大事にしてほしいと思います。