警察権力のやみくもな民事介入が望ましくないのはいうまでもない。しかし悪質なストーカーやセクハラ、児童虐待やいじめ、SNSによる誹謗中傷にたいしては、警察はどしどし介入してもらいたいと思う。

 玄秀盛という人が、新宿の歌舞伎町で公益社団法人「日本駆け込み寺」という団体を運営している。わたしがこの人の存在を知ったのは、いまから10年前、『泣いてもええねんすべてはそこからや』(玄秀盛著、ロングセラーズ、2012)という本を読んでからである。

新宿救護センターで相談の電話を取る玄秀盛さん(写真:共同通信社)

 それ以後、何度も閉鎖の危機を乗り越えて、玄さんが現在もまだこの活動をつづけていることを知って感動した。

 玄さん(とそのスタッフたち)のような本気の活動を、警察の民事介入によって全国展開をしたらどうか。できないわけがない。「日本駆け込み寺」は緊急避難用のシェルターまで用意しているのだ。

 警察は躊躇なく民事介入せよ。

 これが暴論なら、とにかく司法・行政には、卑劣な行為によって死者がでない方策を本気になって考えてもらいたい。