チャーター機で有名スポーツ選手も事故に
つまり、いかにハイテク化しても、小型プロペラ機のセスナなどと同様、乗客は命を1人のパイロットに頂けるリスクを負うことになる。
そもそもパイロットが2人乗務していても確実とは言えないのである。ともに機内の減圧に気がつかず酸欠で眠ってしまい、自動操縦中の機体で燃料が尽きたまま、まっさかさまに墜落したケースもある。
それは1999年の全米オープン優勝などゴルフ界のトップスターであったペイン・スチュワート選手がチャーターしていたものである。フロリダ州オーランドから試合のあるテキサス州ダラスに向けプライベートジェットをチャーターし、移動中にこの事故で乗員乗客6人全員が死亡した。スチュワート選手は42才の若さだった。
ほかにも2016年11月にブラジルのサッカークラブがチャーターしたボリビアのラミア航空機が、コロンビアのメデジン空港手前で燃料切れにより墜落し、71人が死亡した事故も記憶に新しい。
ラミア航空は保有機材2機で従業員は8人というチャーター専門会社で、エアラインといっても実体は定期航空とはほど遠い会社であった。
以上、プライベートジェットやチャーター専門会社は、定期便を運航する民間航空機に比べて安全性に関するリスクが高い傾向にあるが、それだけではなく、プライベートジェットの利用で世界の環境保護に悪影響を与えているという批判が欧州を中心に広がっていることも知っておいてほしい。