プライベートジェットは欧州で「飛び恥」の代表に
今春、日本のとある難関中学の入試問題にも出された「飛び恥」。その意味は、鉄道でも短時間で行ける目的地まで航空機を使い、大量のCO2をまき散らして地球環境を悪化させる人たちを揶揄する言葉だ。
フランスでは鉄道を使えば2時間半以内で移動できる短距離区間の航空路線の運航を禁止する法律を昨年春に施行し、複数のEU加盟国でも議論が始まっている。
プライベートジェットは乗客1人あたり、民間航空機の5〜14倍、列車の50倍のCO2を排出するといわれている。この問題は2021年11月に英国のグラスゴーで開催されたCOP26や、2023年1月にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラムでも議論された。
もっとも、そのダボス会議の期間中に1000機以上のプライベートジェットが参加者を運ぶため飛び交ったと環境NGOのグリーンピースは皮肉をこめて批判している。
ともあれ、プライベートジェットはこれまで米国を筆頭に世界の富豪や大企業が特権的に使ってきた。それが自由競争社会での「アメリカンドリーム」の象徴とされ、一般庶民にはある種のあこがれのようにされてきたが、最近は風向きが変ってきたと言えよう。
では日本政府はこの問題にどのような考え方を持っているのだろうか?