グローバル人材と日本人チームの統合に着手

──英語化に向けての具体的な手順はどう進められたのですか。

小牧 まず社内の構成ですが、外国人社員が主流のグルーバル人材チームと、日本人エンジニアのチームがあり、日本人のチームに英語学習を提供するというところからスタートしました。

 私が立ち上げたグローバルチーム「Team NIKKO」のメンバーは、国籍は10を超えていて、アジア以外にも欧米やアフリカ出身の社員もいます。年代は20代から50代ですが、20代のボリュームがもっとも大きいですね。人事領域のプロダクトなども担当しています。

──日本人チームの現状はいかがでしょうか。

小牧 日本人チームのほうが圧倒的にボリュームが大きいのが現状です。実は今、その日本人チームに対する英語教育と、グローバルと日本人のチームをミックスしていくという2つの動きを同時に進行させています。

 たとえばTeam NIKKOに所属していたメンバーを各部署に点在させ、グローバル人材と日本人を混ぜたチームにする。そうすることで細胞分裂のように徐々に英語でグローバルに開発できるようにしていこうという取り組みです。

──その作業はすべてオフィス内で行っていますか。リモートワークも活用されているのでしょうか。

小牧 現在の会社のルール上、オフィスが週1回以上、リモートが週4回で、基本的に多くのメンバーはハイブリッドで使い分けながらこのパターンで働いています。

──最終的な英語公用化のゴールはどこに置いていますか。

小牧 英語公用化はあくまで手段です。本当にやりたいのは、例えば世界の第一線で活躍しているエンジニアが明日入社しても活躍いただける、本当の意味でのグローバルな環境を整えることです。組織全体、会社全体でそうなれるように、英語の公用化だけでなく、さまざまな取り組みを進めています。

 例えば、お祈りをする習慣のあるメンバーのために祈祷室をオフィスに設置したり、ミーティングはお祈りの時間を避けるとかですね。また、グローバルメンバーと日本人エンジニアが積極的に交流できるようなイベントを開催したりもしています。

──日本で暮らすグローバル人材のなかには日本語が苦手な方もいるかと思います。その対策はどうしていますか。

小牧 普段の生活において買い物やレストランなどで日本語に苦労されるシーンがあります。彼らにも一定の日本語を学びたいニーズはあるので、「TERAKOYA」というプログラムを提供し、週に1回程度、主に日本人メンバーが日本語を教えていくという取り組みを行っています。