北総線「印西牧の原駅」(筆者撮影)

続々と建設される最先端施設と新興住宅地

 千葉ニュータウンの一角にある人口約11万人のまち・印西(いんざい)市。千葉県の北西部に位置し、利根川、印旛沼、手賀沼に囲まれ、豊かな自然が残る一方、ニュータウンエリア内には新興住宅街が広がる。

 かつて経済誌の「住みやすさランキング」で7年連続1位になるなど、住みやすいまちとして人気のベッドタウンが、最近は意外な面で注目されている。

 グーグル(Google)やアマゾン(Amazon)など世界的なIT関連企業のほか、国内の大手金融機関などのデータセンター(DC=サーバーやネットワーク機器を収めた施設)が続々と建設、稼働しているのだ。いまでは海外でもDC集積地“INZAI”の名は知れ渡っているという。いったいどんな街なのか、現地を取材した。

 2月中旬、クルマで印西市に向かった。都心から首都高、東関東自動車道を走り千葉北ICで下りる。国道16号を北上し、途中から県道に。ゴルフ場も多いひなびた光景の道を進むと突然、物流倉庫やらビルが見えてきた。千葉ニュータウンの一角、印西市の市街地が近づいてきたのだ。都心から約50km、走行時間は1時間程だった。

昔ながらの光景も残る印西市(筆者撮影)

 最初の目的地は大和ハウス工業が進めている日本最大級のDC開発プロジェクト「DPDC印西パーク」(印西市牧の台)。ショッピングモールや大型ホームセンターなどがある市街地を抜け、1.5kmほど進むと広大な敷地に開発エリアがあった。

DPDC印西パーク(筆者撮影)

 すでに大きな物流倉庫みたいな建物が2棟建っている。とにかく広い。リリースによると総延床面積は約33万m2(8万2000坪)。東京ドーム7個分だ。この開発計画に1000億円が投じられ、全部で14棟が建つという。いったいどんな企業が入るのだろうか。

 市街地に戻る途中の道沿いには同じような形をした一戸建て住宅が建ち並んでいる。電柱が見当たらない。無電柱化が進んでいるようだ。わき道に入ると「新築分譲住宅 全151邸 好評分譲中」の横断幕。ネットで調べると111平米(建物)で約4200万円だ。都内23区近郊の6~7割程度か。近くの公園では親子連れが楽しそうに遊んでいる。比較的若いファミリー層が多い。

 北総鉄道「印西牧の原駅」の前にはビジネスホテルと観覧車や大型室内遊園地があるショッピングモールがある。買い物、食事、遊びのスポットが勢ぞろいだ。

印西市内の新興住宅街(筆者撮影)