想定外のペースで増え続ける人口

 1960年代から始まった千葉ニュータウンの開発事業は、バブル崩壊やリーマンショックなどで事業が停滞した時期もあったが、ここへきて実を結びつつある。

 人口の64%がニュータウンエリアに住む印西市は、平成22(2010年)年の合併(印西市、印旛村、本埜村)時には8万8998人(同年3月末)だった。それが最新の2023年1月末時点では11万90人と、13年間2万人以上、率にして24%も増加した。ここ数年を見ても毎年2000人前後の社会増、100人規模の自然増が続き、10年以上も人口が増え続けている。

 注目は年齢別人口の構成だ。子ども人口(0─14歳)が16.4%、生産年齢人口(15─64歳)が60.4%、高齢者人口(65歳以上)が23.2%と、バランスがいい。子ども人口比率は全国平均11.6%を大きく上回り、高齢者人口比率は同29.1%を大きく下回っている。子育て世帯の流入が多いことから、一部の小学校で教室不足となるほど、人口増は想定外のペースとなっている。

人口増加が続く印西市(印西市役所/筆者撮影)

 人口増に伴う課題解決という、過疎自治体からすれば羨ましいような状況となっているのだ。

 千葉ニュータウンでは長年、鉄道運賃の高さがネックとなっていた。しかし、累積損失解消を機に、北総鉄道が2022年10月に全体で15.4%、通学定期は64.7%もの大幅値下げに踏み切った。沿線住民の負担減につながったこともあり、今後も人口増加の流れは続きそうだ。

「住みよさ実感都市 ずっと このまち いんざいで」という将来都市像を掲げる印西市。人口増加の流れが続き、DCや物流拠点の充実で世界のINZAIとなった北総のまちが、今後どんな変貌を遂げていくのか注目したい。