県庁所在地を通らない路線をどう成立させるか

──いま、報道されている全国の赤字路線を見ていると、誰もが乗客がいない、だから運営が続けられない。運営を続けたいと考えるのであれば、お金を出せ、その繰り返しに終始している印象があります。その理屈では解決がつかないに決まっています。それはおそらく、存続を巡って議論をしている人たち自身も知っている・・・。

鳥塚氏:次に私がえちごトキめき鉄道に来た時は、今度は(新幹線開業に伴いJRの経営から離れた)並行在来線にとって、これからの10年が一つの山場に差し掛かると考えたからです。

 それぞれの路線が有する施設が、これから大規模な修繕を必要とする時期に差し掛かります。全国にいくつかある並行在来線の中でも成績が悪いのがえちごトキめき鉄道でした。

 この鉄道は新潟県を走りますが、県庁所在地を通っていません。県庁所在地を通らない並行在来線なんて成立するはずがありません。

 ただ、えちごトキめき鉄道は貨物列車が通る大動脈を所有しているわけで、この条件を活かして、運営を潤滑に行うできるようになれば、たぶん、これはたぶんという言い方になりますけれども、日本全国の並行在来線が抱えている問題を解決することができるのではないでしょうか。

県庁所在地を通らないえちごトキめき鉄道は集客のアイデアが問われる