幹部は自腹を覚悟した夜行列車だったが

鳥塚氏:えちごトキめき鉄道でも夜行列車は満席になって、会社内でも「なんで、このような需要があるのだろう?」と話題になったものです。

 年末の土曜日に夜行列車を運転し、ボックス席ひとつに3人まで利用できて、料金は1万8000円。車内で弁当が出されて、カップラーメンが出されて、ただ、それだけです。

 列車は同じところを行ったり来たりするだけ。私がこの列車の運転を発案した時には、幹部連中は皆「年末は列車の中で寝るからな」と言い合ったそうです。つまり、自分たちが申し込まなければ満席にならないと考えたのですね。

夜行列車で思い思いのひとときを過ごす乗客

──俗に言う「タコ足」というやつですね。自分たちで切符を買う。

鳥塚氏:この列車の運転を告知したら、切符は発売開始から1分間で完売となりました。ボックス席の販売数は20ボックスでしたから、何も特別なことをせずとも、ひと晩で36万円の増収です。