「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」の車体に付けられた「e-SKYCACTIV R-EV」のロゴ(出所:マツダ)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

「まさか、シリーズ式プラグインハイブリッドだったとは!」

 マツダは2023年1月13日、ロータリーエンジンを発電機として使う電動SUV「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を欧州で初公開した。そのニュースリリースを見て驚いた自動車業界関係者は少なくなかった。大方の予想に反して、レンジエクステンダーではなくシリーズ方式のハイブリッドであり、しかもプラグイン型だったからだ。

エンジンを電池への蓄電のみに使う「シリーズ方式」

 レンジエクステンダー、シリーズハイブリッド、プラグインハイブリッドは、どう違うのか。筆者が2021~2022年に行った、日系各メーカーの電動化に関わるエンジニアとの意見交換の内容を交えながら、説明しよう。

 まず、「レンジエクステンダー」とは、EVの航続距離を延ばす(エクステンド)ために補助的に小排気量(数百cc程度)のエンジンなどを搭載して発電するシステムである。搭載する電池容量はかなり大きい。量産モデルにはBMW「i3」などがある。