中国による輸出増は化学品が中心

 他方で、輸出の増減率を財別(HSコード)に寄与度分解すると、寄与率が高かったのは第6部(化学工業(類似の工業を含む。)の生産品)、第17部(車両、航空機、船舶及び輸送機器関連品)、第7部(プラスチック及びゴム並びにこれらの製品)、第16部(機械類及び電気機器並びにこれらの部分品並びに録音機など)だった。

 第6部のうち、堅調だったのは第29類(有機化学品)と第38類(各種の化学工業生産品)、第28類(無機化学品及び貴金属、希土類金属、放射性元素又は同位元素の無機又は有機の化合物)だった。第16部では、第85類(電気機器及びその部分品など)が堅調だった。この第85類にはいわゆる「半導体」が含まれている。

 この半導体は、ロシアで完成品を生産するうえで不可欠なものだ。とはいえ、この半導体を含む第16部の前年比増加率をロシア向け輸出額と世界向け輸出額で比べても、その差はわずか0.5%、ロシアが高いだけである。この動きからだけでは、中国がロシアを支援する目的で、優先的に半導体を供給したようには見受けられない。

 つまるところ、中国のロシア向け輸出は、主に化学品を中心に拡大したことが分かる。言い換えれば、中国からの輸出品の増加分が、ヨーロッパからの輸入品の減少分をある程度は代替したとして、それは化学品が主だったのではないだろうか。半導体に代表される機械類に関しては、それほど代替が進まなかった可能性が高い。