ウ〇コが落ちているのは1年に1回だけ
「この仕事は2年以上やっているけど、気持ち悪い思いをしたことはほとんどないですね。ウ〇コが1年に1回くらい落ちていることがあるくらい。あとはゲロの始末がたまーにあるくらいかな」
保育士風女子がにこやかに話す。中高年の利用が多いせいで、使い方も紳士的なのだろうか。
彼女は日勤に週4日入っていて、月の手取りは14万円程度だという。夜勤を担当すると時給が1400円くらいに上がるが、夜は男性のアルバイトが多いそうだ。
「清掃中に、お客さんと鉢合わせしちゃうこともありますが、『失礼します』って感じで、軽く会釈すればいいだけなんで」
ホテルにもよると思うが、ここの従業員は仕事を楽しんでいる様子だ。勤続年数を聞くと、2年以上続けている人ばかりだった。特殊な世界を共有しているせいか、スタッフの連帯も生まれやすいのかもしれない。
バイト体験を終えて外に出ると、秋の空はすでに暮れて、ホテルのネオンが周囲を照らしていた。入る時はドキドキしていたのに、もう恥ずかしさはなくなっている。むしろ、新たな世界を見た高揚感と万能感で、不思議と心が満たされていた。
人間の恥部を覗くと、人より優位に立てた気になる。必殺仕事人たちも、恋を楽しむ金持ちおじさんに、一矢報いた気分を味わっているのかもしれない。
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