富士登山における「5つのリスク」

 ここまで今年の富士山の遭難について見てきたが、これから富士山を目指す方も多いだろうから、あらためて富士登山のリスク面を整理しておきたい。まず、読者の皆さんに参考にしていただきたいのが、静岡県警地域課がSNSで発信している富士山に関する情報である。

 ツイッター上で「静岡県警察地域部地域課」のアカウントで毎日「#富士山」のハッシュタグで最新の情報を発信している。シリーズその49は「遭難多発! 約9割が下山中に遭難 約6割が疲労や発病」と警鐘を鳴らしている。

 そのシリーズのなかに富士登山ならではの対策も紹介されている。例えばシリーズその20の「高山病対策」。登り口が標高2000mを越える富士山は空気が薄く、山頂にいたっては吸い込める量は平地の3分の2程度である。そのため、いきなり登り始めると高山病の症状に苦しむケースがある。そこで「低酸素で体調を崩す人多発・・・。軽重ありますが、大抵何かの症状が出ます。眠気、頭痛、めまい、運動・意識障害。やはりトレーニングが大切。鍛えてから富士山へ」といったメッセージである。

 身が引き締まるような回もある。シリーズその8では、「夏はヘリもなかなか高度が上がりません。富士山の救助は基本は人力です。すぐには行けません。ご承知を」と警告。救助隊員が遭難者を背負って下山中の写真が添えられている。

 富士登山におけるリスクを整理すると、次の5点が挙げられる。

(1)高山病のおそれ、低酸素による体調悪化の危険性
(2)標高が高く天候が急変しやすいため、低体温症の危険がある。夏でも山頂では氷点下のことも
(3)登山道は森林限界より上。登山道は岩と砂だらけで落石、つまずきの原因に
(4)遭難でもっとも多いのが「疲労、高山病など」、他の山は「道迷い」
(5)水不足。沢や水場がないので、山小屋で購入するしかない

 その他、ハイシーズンには山頂近くの登山道が大渋滞し、すれ違うのも一苦労なほどで、つまずいたり、転倒の原因となりやすいといった現象も見られる。

ハイシーズンには登山道も大渋滞