「安倍なき日本」はますます保守化する
安倍なき日本はどうなっていくと、米国は見ているのだろうか。
リベラル系のサイト「Democracy Now!」の編集主幹、エイミー・グッドマン氏は、すでに紹介した主流メディアやエスタブリッシュメントの学者、外交官とは異なる安倍首相論を繰り広げている。
上智大学の中野晃一・国際教養学部教授*1との対談では、「安倍氏は海外、特に米国では自由民主主義の英雄のように評価されているが、国内ではスキャンダルだらけの毀誉褒貶の激しい人物」といった評価を引き出している。
*1=中野氏は、熱心な野党共闘推進派であり、野党共闘派のロビー団体「市民連合」の設立に呼びかけ人として関与。日本共産党の機関紙のしんぶん赤旗の2020年元旦一面特集では、志位和夫委員長と対談し、「文明を壊す安倍政治と決別する『覚醒の年』にする」と発言していた。
同サイトは安倍暗殺後についてこう結論づけている(中野氏の発言を直接引用する形で)。
一、日本のテレビ各局は安倍氏にへつらうようなニュースを垂れ流している。
二、その結果、参院選挙は有権者の同情を買って自民党が圧倒的勝利を収める。
三、有権者は自民党に空手形を差し出す結果、自民党一党民主主義はますます強固なものになるだろう。
(https://www.democracynow.org/2022/7/8/shinzo_abe_assassination_japan)
日本在住のジャーナリスト、ジェイク・アデルスタイン氏も「安倍なき日本」についてこう言い切っている。
「安倍がいようといまいと、日本の『自民党一党独裁の民主主義』は、今後数十年は続くことに変わりはない」
「野党勢力は立ち直れず、メディアは尻尾を丸めて両脚の間にしまい込んだまま、政府与党を批判できないからだ」
(https://www.thedailybeast.com/shinzo-abe-was-japans-donald-trump-before-trumpexcept-he-pulled-it-off)