2019年8月25日、フランスのビアリッツで開かれたG7サミットで固い握手をする日米両首脳(写真:AP/アフロ)

2021年9月、2人揃ってビデオメッセージ

 安倍晋三元首相の暗殺容疑で送検された山上徹也容疑者(41)は警察の調べに対し、「動画を見て安倍氏と宗教団体につながりがあると思い、絶対に殺さなければいけないと確信した」と供述している。

 山上容疑者が安倍氏に殺意を抱くきっかけになった動画とは、統一教会の創設者・文鮮明らが設立した団体「天宙平和連合」(UPF)*1が2021年9月12日ソウルで行ったオンライン年次大会に、安倍氏が寄せたビデオメッセージとみられる。

*1=旧統一教会は「世界平和統一家庭連合」と改名、その関連・分派団体には「天宙平和連合」(UPF)、「世界平和統一聖殿」(サンクチュアリ教会)などがある。

 動画は約5分に及び、安倍元首相は「総裁はじめ、皆さまに敬意を表します」と述べていた。

 この大会は、米国の同時多発テロ事件から20周年を迎えた日と重なった。

 ニューヨークのワールドトレードセンターの現場では米政府主催の祈祷集会が持たれたが、ドナルド・トランプ氏は参列せず。

 そのオンライン大会に安倍氏の「盟友」、トランプ前大統領がビデオメッセージを送っていた。トランプ氏はこう述べていた。

「UPFに感謝の意を表します。特に素晴らしい人物、(UPF総裁の)韓鶴子博士の世界平和のための驚くべき御働きに感謝の意を表します」

「5歳の時に朝鮮戦争のさなか、北朝鮮から逃れたストーリーは全能の神に対する信仰の力を見事に示した証といえます」

「また博士の亡夫である文鮮明師に対しても感謝の意を述べたい。私が最も尊敬し称賛するワシントン・タイムズを創刊していただいたからです」

「韓鶴子総裁たちが朝鮮半島で成し遂げた業績は目を見張るものがあります」

「ここ数十年の間に総裁らが示した世界平和に対するインスピレーションは信じがたいものです。私はそのことを何度も何度もお祝い申し上げる」

「総裁らの業績は世界平和、より良い未来に向けて弛みなく働くこと、決してあきらめてはならないことを思い起こさせてくれます」

「今振り返ってみて、私が大統領に選ばれた当時、朝鮮半島は一触即発の危険な状態でした」

「北朝鮮はミサイルを発射させ、核実験を繰り返し、われわれは連日、恐怖を感じていた。私のリーダーシップの下、米国は前代未聞の力の政策に踏み切ったのです」

https://twitter.com/koryodynasty/status/1436861661185409028