銃規制国家でなぜ、銃で暗殺されたのか
米メディアは、「日本の安倍晋三元首相が暗殺された」と報じた。
「撃たれて殺された」(was shot and killed)のではない。「暗殺された」(was assassinated)と報じた。
エイブラハム・リンカーン第16代大統領(1865年4月)やJ・F・ケネディ第35代大統領(1963年11月)と同じように暗殺された、と報じたのだ。
日常茶飯事で起こっている大量殺害乱射事件の米国でも、ここ59年間現職を含む大統領経験者が暗殺されたことはない。
(ロナルド・レーガン第40代大統領は1981年3月暗殺未遂事件に遭遇した)
しかも銃規制の厳しい日本で政治家が選挙キャンペーン中に銃で殺されたのだ。
米国での安倍晋三氏への評価は特に高い。
日本から見れば、「米国の要求を何でも受け入れたのだから好かれるのは当たり前だ」といった解釈もできる。
しかし、それを割り引いても日米問題で日本のメディアや学界が一定の評価をしている米国の識者たちの評価となれば、その理由を聞いてみてもよいのではないだろうか。
ジョー・バイデン米大統領は安倍元首相の死去について「驚き、憤り、深く悲しんでいる。暴力は容認できない」との声明を発表した。
「安倍氏は日米同盟の擁護者だった。『自由で開かれたインド太平洋』という彼のビジョンは、今後も続くものだ」
「銃による暴力は、常に社会に深い傷跡を残す。米国は、この悲しみの瞬間にある日本とともにある」