本業の年収は500万円から300万円に激減

 Cさんのアルバイトでの副収入は月2~3万円ほど。これを老後資金のために毎月、投資信託に回しているという。投資はコロナ後に始めた。

「それまでは、ある程度の貯金をするだけで、老後の準備について特に考えていませんでした。私の会社は65歳が定年ですが、小さい会社ですから、その後も少しは働かせてもらえるだろうと考えていたのです。でもこのままでは、会社がどこまで持つかもわかりません」

 コロナが始まって2年、Cさんの本業の年収は500万円から300万円に激減した。月給は変わらない代わりに、ボーナスが徐々に減っていったそうだ。追い打ちをかけるように社会保険料が値上がりしているので、手取りはみるみる減っている。

「私の会社の社員の多くは40~50代の働き盛り。社員同士で副業について語り合うことはありませんが、みんな何かしらの副業をしていると思います」

 現在のところ、社内でリストラは行われていないが、この先どうなるかは誰にもわからない。

 Cさんに老後をどのように過ごしたいのかについても聞いてみた。

「仕事がなくなると、人と交わる機会もなくなります。できればボランティアなど、人と触れ合いながら、人の役に立てることができればいいのですが。病気や認知症など、一人では生きていけない状況になるのは不安です」

 そうなると、やはり「先立つものはお金」ということになるだろう。まもなくCさんがアルバイトを始めて2度目の夏がやってくる。