ロシアがウクライナに侵攻し、戦争に発展している。
侵攻の名目はウクライナ東部でロシアが一方的に独立を承認したルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国の支援要請に応え、両共和国の人民の保護であるとした。
この図式はロシアが2008年にジョージアに侵攻したのと全く同じである。
当時のジョージアでも親ロ派がいた地域を独立させ、国家承認した。その国家から支援要請があったとして、ロシアが侵攻した。
2014年のクリミア侵攻も、クリミア住民がロシア帰属を要望しているというものであった。
「二度あることは三度ある」の諺どおり、オリンピック期間に同じ図式のウクライナ侵攻となったわけである。
ただ今回は、ロシアの侵攻理由の欺瞞とウクライナ国民の旺盛な対戦意思を見届けて、世界の大半の世論がウクライナに味方している。
ロシアと国境を接するルガンスク州とドネツク州の東南部にはロシア語を話す人が多く、親ロ派と称される人々が武装して独立志向を強めていた。
侵攻に先立ち、サイバー攻撃やSNSなどで、ウクライナは言うまでもなく、国際社会に向けた世論誘導も活発であったとされる。
ロシアは両共和国どころか、ウクライナ全土を包囲する形で3方向から侵攻して首都キエフを陥落させ、NATO(北大西洋条約機構)加盟の阻止は言うまでもなく、自国の意のままになる傀儡政権を樹立しようと目論んでいるようだ。
ちなみに、バルト三国でも高齢者の多くはロシア語に親しんでおり、英語を話す若年層との間に考えの違いも大きいと現地で聞いた。
こうしたことから、バルト三国は、NATO加盟を快く思っていないロシアへの警戒感を一層高めていると言われる。
ウクライナ侵攻は他人事ではなく、日本への警告でもあるという視点から論考する。