もうひとつ、学習院大学の法学部の入学実績を見てみよう。2021年度入試において、一般・共通テストで3821人が受験し、570人が合格したが、入学したのは90人に過ぎなかった。入学した478人のうち、もっとも多いのは「学校推薦型選抜(指定校制)」(旧・指定校推薦)で入ってきた307人なのだ。その比率は定員の6割5分ほどになる。一般選抜や共通テストを経て入学した学生は、定員の2割に満たず、その減少傾向は一貫している。(出典:旺文社ムック『2022年度用 大学の真の実力 情報公開BOOK』)

 これほどまででなくとも、その他の首都圏のMARCH、関西圏の関関同立といった難関私大群においても、多くが年内に指定校推薦や付属高校などから半数近い入学者を確保しており(7割近くを一般選抜や共通テストで確保している明治大学と6割の立命館大学は例外的存在)、すでに大学入試の姿は様変わりしている。「冬の受験シーズン」が幻想というのはこういうことだ。

 これが現在の大学入試の現実だ。

難関私大に入りやすい高校、入りにくい高校

 このような状況になっているのであれば、難関私大を目指すのならば、中学や高校に進学する際に入念に学校を選んだほうがいい。

 目標とする大学が決まっており、そこに付属校があるのであれば、その高校に入学するのが大学への最短ルートなのは間違いない。また付属でなくても、大学に推薦枠を多く持っている系属校、指定校推薦枠を多数確保している中学高校などは狙い目だ(系属校の場合は付属に比べ推薦枠が少ないのが一般的)。

 高偏差値の難関中学・高校に進学して「国公立や海外の大学を含めて可能性を追求したい」という考えもあるだろうが、早慶やMARCHが念頭にあるのなら、一般入試での枠が減少傾向にある以上、付属を優先して考えるべきだろう。

 指定校推薦狙いで高校を選ぶのであれば、公立高校はあまり公表していないが、私立高校の場合は具体的に数字を出してPRしているところもあるので、事前に公式ホームページで確認したり学校説明会に参加したりして情報収集することが望ましい。大学によっては指定校を毎年見直すこともあるので、その点も注意が必要だ。

(参考:外部サイト)東大・京大・一橋・東工大・早慶に強い首都圏の中高一貫校は? 難関大学への「合格率」ランキング(AERA dot.)
https://dot.asahi.com/dot/2022020100054.html