毎年1~2月になると、「冬の受験シーズン、がんばれ受験生」といった言葉が世間にあふれるが、実際の大学入試は、実はお正月前にすでに半分は終わっている。私立大学は年内に57%の入学者を確保しているからだ。実に6割である。

(参考:外部サイト)ベネッセ入試結果調査③総合型選抜の志願者数は国公立、私立とも増加(Between情報サイト)
http://between.shinken-ad.co.jp/hu/2021/07/nyushikekka3.html

 今や大学受験において、お正月明けの大学入学共通テスト、2月上旬の私立大学の一般選抜入試、2月末の国公立大学の二次試験といった学力試験でトライする受験生は少数派となった。

 国立大学であっても、「入学者の3割を書類選考・面接・小論文などで選ぶ総合型選抜・学校推薦型選抜にする」という国立大学協会の方針もあり、すでに2割の入学者がそうなっている。国公立大学はこれに共通テストも課す場合が確かに多いが、東北大学、名古屋大学、九州大学といった旧帝大にも、共通テストなしで受験できる学部が存在する。

 国公立大学全体の募集人員ではすでに総合型選抜・学校推薦型選抜は3割に達し、後期日程の定員を超えた。3月末の後期日程までがんばる受験生は減っている。

 このように国公立大学、私立大学を問わず、年内入試で早めに入学者を確保する動きは年々強まっており、まるで大学生の就職活動の早期化のようだ。

「推薦入学の割合増」は不人気大学だけの話ではない

 冒頭で、私立大学の6割が推薦で入学者を集めていると書いたが、これについて「それは少子化で学生募集に苦戦する偏差値の低い中規模・小規模大学だけではないか。有名大学は何万人も志願者を集めているのだから」と思っている人がまだまだ多いようだが、実態は違う。

 具体的に見てみよう。