一般選抜は最後の「勝負時」
付属校や系属校への進学が叶わず、また指定校推薦の枠も手にできなかったとしても、別のルートがある。
数は多くないが、誰でも受験できる総合型選抜(いわゆるかつての「AO入試」)・学校推薦型選抜に定員を割いている大学がある(上智、関西大学、関西学院などは多い)。高校での探究的な学習や学業・課外活動で目覚ましい成果という武器があれば、書類選考・面接・小論文などを経て、有名私大に挑戦できる。これなら公立高校や地方高校の生徒にも可能性はある。誰にでも検討する価値は十分にあるので、早い段階から大学のホームページなどを見て、準備を整えておくとよい。
それでも希望する大学に手が届かなかった場合にトライするのが、一般選抜試験だと考えたほうがいいだろう。
上述したように、私大では一般選抜による枠は定員の4~5割にまで減ってしまっていることが珍しくなく、狭き門になっていることは否めないが、付属校や指定校推薦の恩恵にあずかれなかった受験生にとってはここが「勝負時」だ。すでに今年の「冬の受験シーズン」も中盤から終盤に差し掛かっているが、ここでがんばっている受験生や保護者には、かつて同じように2月の寒い中に8つの大学を受験した元受験生だった私からも、熱いエールを送りたい。
まさにいま一般選抜の受験に臨んでいるあなたは、自らの努力と英知だけを頼りに、夢に挑んでいる。その努力は決して無駄にならない。狭き門になってしまった多くの大学の一般選抜に挑む勇者たちに、新約聖書のイエス・キリストの言葉を贈りたい。
「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々としていて、そこから入るものが多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない」(マタイによる福音書7-13 新共同訳聖書 日本聖書協会)
受験生諸君の健闘を祈る。