高裁判決から上告棄却まで約1年5カ月、赤ちゃんの落下事故発生から数えれば、すでに約7年が経過しています。有罪はなんとか免れたものの、この間、虐待を疑われていたお母さんとそのご家族は、どれほど辛く、不安な思いで過ごされていたことでしょう。

 きっと、取り戻せないものもたくさんあるはずです。それを思うと、本当に気の毒でなりません。

「子供を虐待して殺害しようとした親」として実名・顔出しで報道

 この事件については、2020年2月、大阪高裁で逆転無罪の判決が下された直後に、JBpressでレポートしています。

(参考)相次ぐ逆転無罪、「揺さぶられっ子症候群」妄信の罪 脳は専門外「小児科医」の意見を有罪の根拠とする検察の暴挙
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59423

 また2019年3月、筆者は、『私は虐待していない 検証 揺さぶられっ子症候群』(講談社)を上梓したのですが、本書の第1章、<「虐待をした親」というレッテルを張られるまで>は、まさにこの事件について書いたものです。

 生後1カ月の赤ちゃんは、なぜ、頭にけがをしたのか。なぜ、呼吸が一時的に止まってしまったのか。なぜ、彼女が一方的に「揺さぶり虐待」を疑われ、二人の子供が児童相談所に長期間「保護」されなければならなかったのか・・・。

 彼女が大阪地裁で有罪判決を受けるまでの、過酷な体験を紹介しています。

 ちなみに、刑事裁判での罪名は「傷害罪」でしたが、母親が大阪府警に逮捕されたときの容疑は「殺人未遂」でした。一部メディアは警察からのリーク情報をもとに彼女の姿を事前に隠し撮りし、2015年9月の逮捕当日には、その映像を使って実名報道したのです。