現在、日本の刑事裁判では有罪になる確率が99%を超えています。いったん「揺さぶられっ子症候群」と診断されてしまうと、本件の母親がそうであったように、いくら「子育て中に起きた事故だ」と主張しても、まともに聞き入れられることはまずありません。
子どもを虐待から守りたいとの思いが行き過ぎ、無実の親まで加害者視
なぜ、捜査機関は固定したある一部の小児科医や内科医らの意見のみで結論を出そうとしてきたのでしょうか。万一、その判断に誤りがあれば、最悪の場合、冤罪を生み、家族の人生を破壊してしまいます。
今後は、脳神経外科や放射線、法医学の専門家らにも幅広く意見を求め、1件1件、慎重に判断すべきでしょう。
あの事故からおよそ7年、ようやく無罪を勝ち取った母親は語ります。
「SBS理論を信じて捜査機関に協力する医師たちは、もともとは子どもを虐待から守りたいという思いで活動されていたのでしょう。でも、私たち当事者には何ひとつ事情を聴かず、まったく見当違いの判断をされたことで、こんなに苦しく、悲しい気持ちを背負って生きていかなければならない家族がいるのです。私たちが行き着いたこの状況を見て、彼らは果たして、子どもたちを幸せに守ったと言えるのでしょうか? どうかこれ以上、子どもたちとその親を苦しめないでください」