*写真はイメージです

(柳原 三佳・ノンフィクション作家)

 クリスマスも終わり、まもなく令和初のお正月を迎えます。帰省をしたり、旅行に出かけたり、家族で楽しい計画を立てている方も多いことでしょう。

 でも、家族と過ごす当たり前の時間を、国によって何十年間も理不尽に奪われ、暖房もない部屋でたったひとり年末年始を過ごさなければならなかった人たちがいることに思いを馳せたことがあるでしょうか。

事故や病気が真の原因なのに・・・

 12月16日、大阪で『SBS/AHT被害を考える家族の会』が開かれました。わが子や孫への虐待を疑われ、長期間にわたって子どもと引き離された経験を持つ保護者とその家族がメーリングリストで語り合うほか、定期的に集まって情報交換したり、励まし合ったりしている会です。

家族会の状況(筆者撮影)

 中には、逮捕、起訴され、刑事裁判にかけられた方もおられますが、ここに集う人は例外なく無実を訴え、つい先日も会のメンバーの一人が大阪高裁で逆転無罪の判決を勝ち取ったばかりです。

 会の名前にある「SBS」とは、『乳幼児揺さぶられ症候群(Shaken Baby Syndrome)』の略、「AHT」は『乳幼児の虐待による頭部外傷(AHT=Abusive Head Trauma)』の略です。