これまでの訴追に誤りはなかったのか
今回の無罪確定を受け、母親の弁護を行った秋田真志弁護士は、事実誤認の主張で上告をした検察の態度を厳しく批判しています。
『SBS検証プロジェクト』のブログ*(2021.7.2)から、一部抜粋して紹介したいと思います(全文は以下を参照してください)。
*SBS(揺さぶられっ子症候群)を考える – 揺さぶられっ子症候群と冤罪を考えるブログです。(shakenbaby-review.com)
「最高裁は、『検察官の上告趣意は、刑訴法405条の上告理由に当たらない』として、これを斥ける決定をしました。決定も述べるとおり、大阪高等検察庁検事長作成名義の上告趣意書は、どうみても事実誤認の主張にすぎませんでした」
検察がこのような上告をすること自体が異例だそうですが、逆に言えば、大阪高裁の下した逆転無罪判決で、検察が有罪のよりどころにした小児科医たちのSBS証言を徹底批判されたことに大きな危機感を感じたのかもしれません。
「最高裁が2021年6月30日に、検察官の上告を棄却したことは、多くの報道機関が報じました。その中で複数のメディアが、最高検の畝本直美公判部長のコメントを伝えています。報道によれば、『主張が認められなかったのは誠に遺憾だが、最高裁の判断なので真摯に受け止めたい』というものだったようです。是非、検察庁には、その言葉どおりに、有罪が確定した事件も含めて、これまでの訴追に誤りがなかったのか、『真摯に』検討していただきたいと思います」(秋田弁護士)