(ゲッティ/共同通信イメージズ)

人気お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが、女性に性的行為を強要したとする記事で名誉を傷つけられたとして発行元の文藝春秋を訴えた裁判で11月8日、松本さん側が東京地裁への訴えを取り下げ、訴訟は終結しました。この訴訟では双方の弁護士にも注目が集まりました。JBpressが取り上げた当時の記事を再公開します。(初出:2024年3月14日)※内容は掲載当時のものです。

 昨年末から『週刊文春』が報じているダウンタウンの松本人志の性加害疑惑。報道を受けて活動を休止している松本は、5億5000万円の損害賠償を求めて『週刊文春』を提訴した。第1回の口頭弁論は3月28日の午後2時30分から東京地裁で開かれる。いよいよ『週刊文春』 vs 松本人志の法廷対決がはじまる。

 そこで思い浮かぶある光景。いまから13年前、東京地裁で私が見た刑事裁判でのことだ。

再びの対決

 松本の代理人は田代政弘弁護士であることが公表されている。田代弁護士は、もともと検察官だったいわゆる“ヤメ検”だが、検事を退官したきっかけが「懲戒処分」を受けたことだった。虚偽の捜査報告書を作成したのだ。

 これを法廷の場で暴いて、当人を前に厳しく追及したのが、いまも文藝春秋の顧問弁護士を務める喜田村洋一弁護士だった。私はその場面を傍聴席から見ていた。証人として出廷した田代検事を、まるで検察官のように厳しい口調で責める喜田村弁護士の姿は、いまでもよく覚えている。今回の裁判でも、喜田村弁護士が文春側の代理人に就く。