前回の舞台は陸山会事件

 舞台は、当時の民主党の代表にも選出されていた小沢一郎衆議院議員が強制起訴され、被告人となった「陸山会事件」の裁判だった。

 2004年に小沢の資金管理団体「陸山会」が取得した東京都世田谷区の土地取得を巡り、政治資金収支報告書に虚偽の収支を記入したとして、東京地検特捜部は陸山会の会計事務担当だった石川知裕衆議院議員(当時)をはじめ元秘書3人を政治資金規正法違反で逮捕・起訴した。2010年1月から2月にかけてのことだった。一方で小沢は嫌疑不十分で不起訴となっている。

 ところが、小沢について東京第5検察審査会が「起訴相当」と議決。東京地検特捜部は再び不起訴としたが、東京第5検察審査会の再びの起訴議決を受けて、検察官役の指定弁護士が11年1月に、小沢を強制起訴したのだ。

 刑事被告人となった小沢。ここに弁護人として就いたのが、「無罪請負人」の異名を持つ弘中惇一郎弁護士と、それに喜田村弁護士だった。

2012年6月、虚偽捜査報告書問題の処分内容について記者会見する喜田村洋一弁護士(左)と弘中惇一郎弁護士(写真:共同通信社)

 弘中と喜田村の2人の弁護士は、いわば盟友として知られる。

 いわゆる「ロス疑惑」で三浦和義の代理人として、妻殺害の容疑で無罪判決を導き、「疑惑の銃弾」と報じた『週刊文春』とも争っている(ここに文藝春秋との接点がある)。

 日産自動車のカルロス・ゴーン元会長が金融商品取引法違反で逮捕・起訴されて弁護人となったのが弘中なら、いっしょに逮捕・起訴されたグレッグ・ケリー元社長の弁護人が喜田村だった。