旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長の性加害について、1999年に『週刊文春』がこの問題を報じ、ジャニー氏と事務所が文藝春秋を訴えた裁判で、控訴審で東京高裁はジャニー氏の性的虐待を認定している。この時の文春側の代理人が喜田村だったことは、いまでは広く知られるところだ。
そして、強制起訴された小沢も無罪となった。そこで指摘されたのが、田代検事の作成した虚偽の捜査報告書だった。
元秘書が否定している小沢一郎氏の関与が、なぜか捜査報告書では正反対の供述に
私は、この小沢裁判をすべて傍聴取材している。
東京地検特捜部は、小沢本人に繰り返し事情聴取をしていたが、起訴までには至らなかった。そして、検察審査会で最初に「起訴相当」が議決されたあと、再捜査をする。この時、再び石川元秘書を取り調べたのが田代検事だった。
この事件で立件された石川らと小沢の間に、虚偽記載の指示、了承があったのかなかったのか、そこが小沢の立件に向けての焦点になる。石川は逮捕以前から一貫して、小沢の関与を否定していた。
ところが、石川を取り調べて作成された田代検事の捜査報告書では、石川が小沢に報告して、了承を得たことになっていた。特捜部による起訴はなかったものの、この捜査報告書が2度目の検察審査会に提出され、小沢の強制起訴につながった。