第七に、そもそも、なぜ今になって緊急事態宣言なのか。タイミングは適切なのか。出すべきは12月中旬であって、遅きに失したと言うしかない。そうしておけば、今の感染爆発は抑えられていたであろう。

「勝負の3週間」にも「真剣勝負の3週間」にも大惨敗したが

 西村大臣は、11月25日に、これからが「勝負の3週間」と言った。しかし、3週間後の12月16日時点で感染は減っておらず、勝負はウイルスに完敗だったのである。この3週間の感染の状況を見れば、ブレーキを踏む最後の時期が12月中旬だったことがよく分かる。

 その後、12月22日に尾崎都医師会長は、「真剣勝負の3週間」と述べた。しかし、この「真剣勝負」も大惨敗である。

 そして、1月7日には、緊急事態宣言発令で、菅首相の「勝負の1カ月」である。

 昨年春の最初の緊急事態宣言発令のときに比べると、新型コロナウイルスの特性、感染したときの症状、治療法などが明らかになっており、人々の不安感は緩和されている。その分、緊張感もまた失われている。ワクチンも開発され、海外で接種が始まったことも安心材料を提供している。

 しかし、医療の現場は厳しい状況となっており、医療崩壊寸前まで行っており、緊張感に溢れている。日本は、医師数、病床数など世界に誇る医療資源を持ちながら、なぜこの状況に追い込まれているのか。

 それは、コロナ専用病院が不足しているからである。武漢でコロナが流行したとき、当局はプレハブで一大コロナ専用病院を短時間で建設させ、感染者の急増に対応した。日本でも、その気になれば同じ事ができるはずである。今は、まさに、医療資源を最適に配分することに失敗しているのである。

 2度目の緊急事態宣言の発令は、これまでの安倍政権、そしてそれを引き継いだ菅政権のコロナ対策の失敗が招いたものである。菅内閣の先行きには明るい材料がなくなっている。

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