(舛添 要一:国際政治学者)
1月7日、菅義偉首相は首都圏の1都3県に緊急事態宣言を発令した。年末以来、新型コロナウイルスの感染再拡大が止まらないからだ。
たとえば、東京都の感染者は、大晦日は1337人、元旦は783人、2日814人、3日816人、4日は884人、5日1278人、6日1591人、7日2447人、8日2392人であり、全国で見れば7日に7500人超、8日には7700人超と、驚くほどの感染の拡大となった。
欧州では違反者に罰則もあるが、代わりに手厚い休業補償も
1月2日、首都圏の知事たちは、国に緊急事態宣言の発令を要請し、これを受けて、菅首相は、4日の年頭記者会見で、緊急事態宣言の検討に入ることを明言した(9日には、大阪、兵庫、京都の3府県の知事も緊急事態宣言を政府に要請する方針)。特措法を改正する方針も示したが、通常国会が開会されるのは18日である。国会も危機感が足りない。
イギリスで昨年秋から流行し始めたウイルスの変異種は感染力が強く、すでに世界中に拡散しており、日本にも侵入済みである。南アフリカでも変異種が見つかり、この感染力はさらに強く、これも日本にも持ち込まれている。
イギリスでは、毎日の感染者が5万人超となっており、医療機関も逼迫したため、4日、ジョンソン首相は、全イングランドを対象に三度目の都市封鎖に踏み切った。5日から、外出自粛、店や学校の閉鎖などが断行されている。
学校を閉鎖するのは、家庭への感染、家庭からの感染を阻止するためだという。この考え方は参考になる。その5日には、感染者は6万916人と6万人超えている。スコットランドでも同様な措置が採られている。