(小谷太郎:大学教員・サイエンスライター)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で流行しています。感染者と死者の数がどんどん増えていきます。先行きがどうなるか、見通せる人はいないように思えます。
・・・でも、本当に見通せないのでしょうか?
対数グラフにすると、増加のパターンが分かる
拡大画像表示
上の図は、ある仮想的な伝染病の感染者の増加を計算してグラフにしたものです。
30日目には10万人弱だった感染者が、数日で100万人を超え、200万人を超え、とどまることなく増加するように見えます。
けれども右の図のように、縦軸を「対数目盛(たいすうめもり)」にしてグラフを描くと、直線からずれていることが分かります。なんだか頭打ちのようにも見えます。実際、このモデルは1000万人で頭打ちとなるのですが、その兆候が読み取れます。
「指数関数的」増加、つまり爆発的増加は、対数(たいすう)グラフだと直線となります。しかし、増加が鈍ると、直線からずれます。感染者の増加パターンは普通の目盛のグラフからは読み取りにくいのですが、対数グラフから読み取れるのです。
「何当たり前のこと言ってるの?」と、思った方は、新型コロナウイルスの感染者のグラフの読み方が分かっていて、これからどうなるか見通せる方です。今回の記事を読む必要はありません。
「ちょっと、日本語で説明してよ」と、思った方は、どうぞ続けてお読みください。