勘の鋭い方は、「じゃあ『2000人』とか『725.62人』はどこに記すの?」と気になるかもしれません。

 そういう、10の整数乗になっていない半端な数も合わせた全ての実数は、10の乗数で表わすことができて、対数を定義することができます。2000は10の約3.301乗なので、2000の対数は約3.301です。725.62は10の約2.8607乗なので、725.62の対数は約2.8607です。

対数グラフはここが便利

 しかしいったいなぜそんなややこしい計算をしてグラフを描かないといけないのでしょうか。普通の目盛の方が描くのも読むのも簡単で、これで充分ではないでしょうか。

 対数グラフには、普通の目盛のグラフよりも便利な点がいくつもあります。今回推したいのは、

指数関数的な増加の対数グラフは直線になるので一目で分かる

という点です。

 百聞は一見にしかず、いくつか指数関数的な増加のグラフを図に示しましょう。

図:さまざまな指数関数的増加のグラフ。左は均等目盛(普通の目盛)、右は同じグラフを対数目盛で描いたもの。右の図ではどれも直線になっている。
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 左図の普通の目盛では、増加していることは見て取れますが、それが指数関数的な増加かどうかは判断できません。また増加が微量な曲線は、本当に増えているのかどうかよく分かりません。

 一方、同じ増加曲線を右の対数目盛で描いたものは、3本ともに直線的に増えていることが分かります。(対数グラフのもうひとつの利点は、微小な変化も読み取れることです。)

 このように対数目盛を用いると、指数関数的な増加かそうでないかが直ちに見分けられます。ある量の対数グラフが直線になったならば、その変化は指数関数的です。そしてその直線の傾きを見れば、その増加率、つまり何日で10倍になるかが測れます。

 つまり、対数グラフは感染者の増加を見るのに最適なのです。