増加は頭打ちになる

 当たり前ですが、ここまで感染者の指数関数的増加が続くことはなく、そのずっと前に増加は鈍り、頭打ちになります。感染者が増加し続けるための条件が満たされなくなるからです。

 具体的には、未感染者の減少(集団免疫または人口減)、感染者の隔離、衛生環境や衛生習慣の変化、予防薬やワクチンの普及、季節変化、などが挙げられるでしょう。他にも多くあるはずです。

 新型コロナウイルスの場合、予防薬やワクチンはまだ開発されていません。集団免疫や人口減が影響するほど感染は広まっていません。

 今、頭打ちや、増加率の変化が見られる国や地域があるなら(あります)、感染者の隔離などの対処や、人々の衛生環境や衛生習慣の変化が効いているのかもしれません。

 そういう頭打ちや増加率の変化が起きているかどうか見るには、何を見ればいいのでしょうか。感染者数や死者数を見ても、(普通の見方では)判断がつきません。

 そこで御紹介するのが、今回の記事の本題、「対数グラフ」です。

 次の節は数字と数学が少々登場しますが、短い節なので御辛抱ください。

対数グラフとは

 ある量をグラフに描く際、普通は、グラフ用紙上で、その量に比例する高さに印を打ちます。例えば「1000人」を1 cmの高さに記したならば、「2000人」は2 cmの高さに、「100万人」は10 mの高さに印を打ちます。これが均等目盛、つまり普通の目盛です。

 対数グラフとは、ある量のグラフを描く際、その量の「対数」に比例する高さに印を打ったものです。(ここでは縦軸のみを対数目盛とする片対数グラフについて説明します。)

 ある数が10の何乗になるかを、その数の「(10を底とする)対数」といいます。1000は10の3乗なので、1000の対数は3です。100万は10の6乗なので、100万の対数は6です。

 したがって対数グラフでは、例えば「1000人」を高さ3 cmに記し、「100万人」は6 cmに記し、「1億人」は8 cmに記します。