ベトナム・ハノイ訪問を終えて飛行機に乗り込む前にベトナムのファム・ミン・チン首相と抱き合う中国の習近平国家主席(2025年4月15日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
(川島 博之:ベトナム・ビングループ Martial Research & Management 主席経済顧問、元東京大学大学院農学生命科学研究科准教授)
4月14日から15日にかけて中国の習近平主席がベトナムを訪問した。
それに対してトランプ大統領は「中国とベトナムが米国に損害を与える方策を模索するために会談している」と言ったとされる。今回の訪問がトランプ大統領のベトナムに対する心象を著しく悪くしたことは否めない。
ベトナムが迫られる難しい舵取り
ベトナムはこの来訪に戸惑っている。
現在90日間の猶予がつけられているものの、トランプ大統領はベトナムからの輸入品に46%の関税を課すと言っている。それに対してベトナムは、米国からの輸入関税を全てゼロにするとして関税の見直しを求めているが、米国から輸入している物品は少ないので、関税をゼロにしたところで米国の赤字が大きく減ることはない。