「ヒトラーからスターリン、毛沢東、金日成に至るまで独裁者たちは『個人崇拝』と『洗脳とプロパガンダ』を武器にして独裁体制を敷いた」

「彼らは過去の独裁者たちの行動やお互いの長所を盗み合いながら自らの独裁国家を構築した」

「こうした20世紀の独裁者たちの手法は、ソ連のウラジーミル・プーチン大統領や中国の習近平国家主席、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領といった21世紀の独裁者たちに影響を及ぼした」

 本書で興味深いのは著者の得意分野である中国における独裁者についての言及だ。

「文化大革命以後、中国共産党は『個人崇拝に関するすべての形態』を禁ずよう憲法に明記した。しかしその後、生まれた政権は独裁体制への回帰を目指していく」

「習近平氏は2012年に党総書記に選出されるや、ライバルだった実力者たちの地位を剥奪し、投獄した。さらに数千人の党員をパージした」

「汚職撲滅キャンペーンという旗印の下での粛清だった」

「習近平氏の中国共産党は、やっと羽毛が生えそろいかけた市民社会を抹消させるのに躍起となった・弁護士、人権活動家、ジャーナリスト、宗教指導者を次々と拘束し、追放し、投獄した。その数は数千人に上った」

「宣伝機関は習近平氏を継続的に弛みなく偶像化した」

「2017年11月の全国人民大会(全人代)前には河北省の省都、石家圧市だけでも4500カ所にラウドスピーカーが設置され、スピーカーから四六時中『習近平同志の下で団結せよ』と呼びかけた」

「共産党は習近平氏に『創造的指導者』『人民の幸福を追求する同志』といった7つの肩書を与えた」

「学童たちは習近平氏の政治思想を学ぶことを必修科目にさせられた。同氏を批判したり、悪口をネット上に書き込んだりすると2年以上の禁固刑を下された」

「2018年3月には習近平氏は終身国家主席になった」

 著者は習近平氏を21世紀における「堂々たる独裁者」と位置づけている。

(その独裁者が今年国賓として訪日する。日本でこの独裁者は大歓迎されるのだろうか)