トランプ再選をめぐって全面対決のケリーアン・コンウェイ大統領首席顧問と夫のジョージ・コンウェイ氏

弾劾支持が微減、不支持は微増

 ドナルド・トランプ米大統領に対する上院の弾劾裁判は年を越すことになった。

「公明正大な裁判」を主張する民主党が評決の前に4人の証人喚問を要求した。トランプ共和党はこれを拒否、入り口論で真っ向から対立している。

 上院での弾劾裁判の「判決」はすでに出ている。共和党は上院100議席の53議席を占めている。弾劾を認めるには議席の3分の2(67議席)が必要だ。

 従って天地がひっくり返らない限り、トランプ大統領は弾劾を放免される。

 世論は目敏い。最新の世論調査(12月2日から15日)でも弾劾を支持する人は46%、支持しない人は51%。

 前回の世論調査(11月2日から15日)に比べると「弾劾支持」はマイナス6ポイント、「弾劾不支持」はプラス5ポイントとなっている。

https://news.gallup.com/poll/271691/trump-approval-inches-support-impeachment-dips.aspx

 こうした空気を見抜いた共和党内には「(上院の弾劾裁判では)民主党からも不支持票が出る公算大だ」と強気になっている。

 だが、ニューヨーク・タイムズはじめ主要メディアはトランプ追及の手を緩めてはいない。

 これから議会が再開する1月6日までにトランプ大統領にとっては不利なスクープが出てくることも十分予想される。

 トランプ大統領は、弾劾は放免されてもそれだからといって再選に向けた態勢が盤石になるとは言い難い。

 すでに12月半ばにはその兆候を示す2つの動きが表面化した。

 一つは、2016年のトランプ候補の勝利に大きく貢献した宗教保守エバンジェリカルズ(キリスト教福音主義)*1の一角が崩れ始めたことだ。

*1=エバンジェリカルズはギリシャ語のエバンゲリオンに由来したものでキリストの4人の弟子(マルタ、マルコ、ルカ、ヨハネ)による福音書正典を信じ、宣教することを意味する。福音書に書かれた文言をすべてそのまま信じる信徒を指している。