安倍晋三首相が就任1年目に“突然”に靖国神社を参拝するという“事件”で暮れた2013年。2014年はどのような年になるのだろうか。今回は2013年に読まれた記事を改めて振り返り、日本と世界が抱える問題点をいまいちど明らかにしておきたい。

昨年最も注目された事件は、ロックオン

今週のランキング
順位 タイトル
1 安倍首相の靖国神社参拝:問題の本質は何か?
2 「靖国参拝」抗議は堂々と受けて立てばよい
3 韓国に周辺の土地を買収されている海上自衛隊
4 日本が目指すはスイスではなくイスラエル
5 ダイエットの敵は「じっとしている」こと
6 FT執筆陣が占う2014年大予測
7 想像以上のスピードで「近代化」している中国海軍
8 社説:西太平洋での日中のシャドーボクシング
9 権力と愛国心:月に手を伸ばすような壮大な野望
10 ロシアとウクライナ:高くついたプーチンの勝利
11 日本の政治家の靖国参拝が「正しい」理由
12 日本と世界の安全を願う天皇のご発言を噛みしめよう
13 資産価格の上昇に心配は無用:今回は違う
14 日本の豊かな森林が生み出すクリーンなディーゼル燃料
15 次の大きな危機の震源地は保険会社か
16 芦屋学園はなぜプロ野球チームの「3軍」をつくるのか
17 2014年、ロシアのエネルギー政策を読み解く
18 カンボジアにも好かれる日本、一層の民間投資に期待
19 叔父を処刑し唯一独裁者となった金正恩
20 裁かれるものは死刑囚か、裁判か

 2013年にJBpressで最もよく読まれた記事は「戦ったらかなわない日本艦を中国艦が自信満々でロックオンする理由」だった。

 昨年2月、中国のフリゲート艦「連雲港」が海上自衛隊のフリゲート艦「ゆうだち」に対してミサイル発射用レーダーをロックオンした事件についての解説記事だ。

 筆者の北村淳さんは「アメリカと国際常識的レベルの軍事同盟関係として相互協力できる程度の自主防衛能力を日本自身が手にしない限り、中国軍による傍若無人な対日敵対的行動をやめさせることはできない」と指摘する。

 昨年末、安倍晋三首相が就任1年目に当たる日に靖国神社を電撃参拝して、中国や韓国は激しく反発しているが、安倍首相の決断を促す理由の1つが中国によるこうした挑発行為であることは間違いない。

 元自衛官の森清勇さんは「日本が目指すはスイスではなくイスラエル」(先週4位の記事=右の表)で指摘しているように、日本を取り巻く環境は大きく変化していることを私たち日本人がしっかり認識しておかなければならないだろう。

 2013年、2番目に読まれた記事は「日本人が知らない親日国家20対2の真実、安倍首相のアジア訪問で明らかに」だった。

 中国と韓国による執拗なまでの反日キャンペーンには辟易させられる。さすがに平和ボケしていた多くの日本人も目を覚ますきっかけとなった気がする。そうしたなか、安倍首相の東南アジア歴訪で親日国がいかに多いかを改めて証明する形となった。

 これは、日本が戦後に歩んできた道が評価されたことを意味する。その点において私たち日本人は自信を持っていいはずである。

 3番目に読まれた記事は「移民大国スウェーデンの移民狩り」だった。スイスと並び世界の模範国家とも言えるスウェーデンで起きている事件に読者の多くが衝撃を受けたのだと思う。

 ドイツやフランスなどでも移民・難民に対する排除が進んでいる。EUの誕生で人の行き来が自由になった半面、移民問題がEU加盟各国に重くのしかかっている。世界中で貧富の差が拡大するなかで、EUで象徴的に起きている事実として、日本にとっても対岸の火事ではすまされない。

 4番目と5番目は「中国軍と自衛隊はどちらが優勢なのか?」と「レーダー照射事件が明かす中国軍の体たらく」だった。やはり中国軍の拡大に読者の関心は深いようである。防空識別圏の設定に続き、2014年に中国はどんな手を打ってくるか。目が離せない。