文=松原孝臣
ストリートは小野寺、白井、堀込、パークは永原
東京オリンピックで新たに採用され、大きな関心を集めたスケートボード。日本勢の活躍がその理由であるのはたしかだが、同時に、競技結果にかかわらず選手たちが互いを称え合う姿が観る人に強い印象を与えた。
スケートボードは採点競技の1つ。「ストリート」と「パーク」の2種目があり、ストリートは、階段や手すりといった形状の構造物など街中を再現したかのようなコースで行われる。各選手は45秒のランを2回行う。構造物を使ったトリック(技)を5回行うことができ、2本のランのうちよかった方、トリックの中で得点の高い2つの合計得点で順位が決まる。
パークはスノーボードのハーフパイプのような形状に、逆さにしたおわんなどを組み合わせたようなコースで行う。45秒のランを3本実施し、3本のうち、最も高いポイントのランによって順位がきまる。トリックの難易度をどう組み込むか、戦略も重要になる。
この2種目に出場する日本の選手たちは誰がメタルを獲ってもおかしくないほど充実した選手がそろう。
ストリートの男子は堀米雄斗、小野寺吟雲、白井空良の3人。
堀米は東京オリンピックの金メダリスト。オリンピック選考の対象大会では当初成績が上がらず、代表入りが厳しい状況にあったが6月の最終予選で大技を決め優勝、逆転で代表の座をつかんだ。
小野寺吟雲は14歳ながら、すでに海外でも広く知られるほど急成長を遂げてきた。
2023年2月の世界選手権で銅メダルを獲得し、5月の「Xゲームズ」ではこの種目で史上最年少優勝。今年になっても勢いは止まらず、5月に行われた中国でのオリンピック予選シリーズ第1戦で2位。スピード感あふれる滑走と高い技術を兼ね備え、パリでも世界をあっと言わせるポテンシャルを秘める。
堀米同様、東京に続く出場となる白井空良。その東京では予選でミスが続き決勝に進むことができなかった。その雪辱を期す。
前回、スノーボード・ハーフパイプの第一人者、平野歩夢が出場したことで話題を集めだパークの男子には永原悠路選手が出場。上位進出を目指す。