2013年12月8日は自虐史観を脱却する契機を思わせるものであった。戦後の68年間、12月8日は一部の新聞を除いて日本を貶める報道や記事を掲載するのが慣例であった。

 ところが今年はわずかに2紙が特定秘密保護法の制定を批判する視点から72年前の日米開戦に触れただけで、自虐史観的なとらえ方で正面から記事にしたマスコミはゼロであったと言っても過言ではなかった。

 激動する内外情勢下にあって、日本が変わらなければならないことを示すターニングポイントのように思える。

2013年12月8日の主要記事

特定秘密保護法が成立、知る権利や表現の自由の侵害に懸念

国会前で特定秘密保護法に反対する人たち〔AFPBB News

 緊迫感を漂わせて目まぐるしく変わる世界情勢を反映するかのように、今年12月8日の全国紙が一様に取り上げていたテーマは、

(1)特定秘密保全法の成立関連
(2)中国の防空識別圏設定問題
(3)北朝鮮の張成沢氏失脚問題
(4)「みんなの党」の離党騒ぎ
(5)TPPと日米の駆け引き
(6)マンデラ元大統領の死去と葬儀

 などであった。

 戦後が50年、60年と年月を経るにしたがって真珠湾に関わる記事の掲載は少なくなり、内容も変化してきたが、それでも関連記事が書かれない年はなかった。

 ちなみに開戦70年に当る一昨年の朝日新聞は「真珠湾が教えるもの」(東大教授へのインタビュー)、「真珠湾 私の70年 (1)死んだ仲間忘れない (2)故郷の沖縄戦に参加 (3)『天皇に弓』問いに『No』」の2本を掲載し、日本経済新聞は「真珠湾攻撃70年 米大統領が声明〈乗り越えられぬ挑戦ない〉」の記事を掲載した。

 また昨年の朝日新聞は「戦争語る言葉 本物か―太平洋戦争開戦71年 元兵士の思い」、日経新聞は「真珠湾攻撃―間に合わなかった最後通告 大統領怠り説覆す?新事実 通信記録を九大教授が発見」を掲載している。

 他紙も大同小異で記事の長短はともかくとして、例年決まって真珠湾を取り上げてきたが、72年目にあたる今年は様変わりであった。