今週は原油価格についての記事が1位になった。シェール革命に金融の思惑が重なり、さらにサウジアラビアの戦略も加わって、原油価格は低迷を続けているが、需要が一向に回復しない。そのため、さらなる下方圧力が加わっているというのだ。どこまで下がり続けるのか、引き続き興味深いテーマである。
中国と韓国、腐敗撲滅運動の裏にあるもの
さて、今回は中国と韓国の汚職撲滅に関する記事が上位に入っている。
3位「「銀座で爆買い」はごく一部、実は低下している中国人の生活レベル」は日本や香港で見られる爆買いは、一部のお金持ちに限られ、実は大衆レベルの中国人は生活水準が改善していないどころか低下しているという記事。
つまり格差が拡大しているわけだ。格差拡大が進むと社会不安を引き起こす危険性があり、既に中国は危険水域に達している。
そのためもあって習近平政権は腐敗撲滅に力を入れているのだが、実はこれが額面通りには受け取れない。記事から引用しよう。
「大胆に予測すれば、政府は汚職幹部を完全に一掃することができないだろう。権力基盤を固める節目において腐敗撲滅を行うが、その際、誰を排斥するかが重要な選択となる」
「すなわち、政権にとって邪魔となる幹部に対して、その責任を問うというわけだ。こうして考えると、独裁政治の指導者にとって、幹部の腐敗を一掃してしまうのは必ずしもいいことではない。邪魔な幹部を放逐する口実がなくなるからだ」
政権にとっての腐敗撲滅は、政敵を倒すための重要な道具だから、腐敗が完全になくなってもらっては困るというのである。
それは韓国でも似たようなものらしい。それを指摘している記事が15位の「韓国政府、突然の腐敗撲滅宣言の真意は?」である。
中国と韓国らしさがよく分かる記事と言えるが、2位に入った「韓国の新学期、日本のランドセルがバカ売れ」も韓国という国の事情がよく分かる面白い記事である。
反日の嵐が吹き荒れている韓国だが、今年はどういうわけか日本製のランドセルがバカ売れしているという。その背景には韓国の抱える深刻な格差社会、競争社会がある。国を治めることは容易ではない。