(2015年3月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

トルコ大統領の食事、国内外で全て検査 暗殺恐れ

首相を11年務めた後、昨年8月に大統領に就任したレジェップ・タイイップ・エルドアン氏〔AFPBB News

 トルコリラが対ドルで史上最安値を更新し続けた後、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が誰に責任があると思っているのかは明白だった。

 「『あなたが中央銀行を叩き過ぎている』と人に言われる」。エルドアン氏は先週末、トルコ南東部の街ガズィアンテプで開かれた政治集会で、こう語った。

 「中央銀行を呼んで、この問題を解決させればいい・・・私が解決しなきゃいけないのか?」

 しかし、多くのアナリストや専門家は、リラの急落――今年に入って対ドルで10%以上値を下げた――は大部分においてエルドアン氏自身の所業だと話している。

誰も大統領に真実を語らなくなった

 エルドアン氏が大統領に権力の集中化を図り、様々な分野で伝統的な考え方と決別するにつれ、同氏の行動の影響は国内政治の範囲をはるかに超え、経済に及んでいる。

 「エルドアン氏の権限が強まるにつれ、その傲りも高まり、今では、トルコ経済に何が起きているのか、真実をあえて大統領に伝え、彼の経済理論はナンセンスだと訴える人物が周りにほとんどいなくなった」と米プリンストン高等研究所のエコノミスト、ダニ・ロドリック氏は言う。

 問題の経済理論の1つが、標準的な経済学的思考に逆らってエルドアン氏が繰り返し主張する、インフレが高金利を招くのではなく、逆に高金利がインフレを招くという理論である。

 これは、昨年6月の総選挙の前にエルドアン氏が熱心に展開した議論だ。同氏は過去2週間に行った演説で、トルコ中央銀行のエルデム・バシュチュ総裁は高金利を維持することで西側に国を売った裏切り者だと訴えた。

 エルドアン氏の驚くべき発言の対象となっているのは、経済だけではない。