文民統制(シビリアン・コントロール)についての政府統一見解が、2015年3月6日の閣議で示された。
従来の内部部局(以下、内局または背広組という)が一元的に大臣を補佐するシステムから、軍事的専門事項については制服自衛官が補佐するシステムに法改正される。
栗栖弘臣統合幕僚会議議長(当時)が、「奇襲侵略を受けた場合、首相の防衛出動命令が出るまで動けない。(国家を防衛し、国民の命を守るために)第一線指揮官が超法規的行動に出ることはあり得る」と発言し、文民統制の観点から不適切として解任されてから37年後の改正ということになる。
また、部隊運用についても今後は制服組が一元的に行い、迅速な意思決定と対処行動が採れるようになる。
政官財とマスコミ界を牛耳ってきた軍事忌避の東大卒
なぜこのように長い間、防衛の現場責任を負う自衛官最高位者が身を賭して行った進言が無視され続けたのか、また、文民統制を規定した防衛庁設置法(以下、防衛庁時代のことである)の改正ができなかったのだろうか。
その回答は、「産経新聞」がたびたび報道してきた「軍事忌避」した東京大学(以下、東大)に遠因があったと見ていいだろう。
日本の中央官庁における公務員試験1種採用者(以下、キャリアという)を輩出してきた東大である。ちみに明治27年から昭和22年までの高等文官試験(高文)行政科合格者は東大5969人に対し、京大795人、中大444人などであることから見ても、東大が群を抜いていた。