中国経済の急減速で原油価格は二番底へ

バブル崩壊、1バレル10ドル台突入の可能性も

2015.02.13(金) 藤 和彦
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2015年1月末からWTI原油先物価格は反転、2月3日に1カ月ぶりに1バレル当たり54ドル台まで上昇した。過去7カ月に及ぶ価格急落局面を抜け出し、「強気相場に転じた」との観測が出された。米国で稼働中のリグ(石油掘削装置)の数が、2014年10月時点の1609基から1223基まで24%減り、3年ぶりの水準に落ち込んだからだ。

 しかし翌4日、米エネルギー省が発表した米原油在庫統計は4週連続で増加し、過去最高を記録したため、50ドル割れの大幅安となった。

 その後、中国人民銀行が金融緩和措置を発表すると再び50ドルを超えるなど、原油市場は2009年4月以来の高いボラテイリテイーであった(原油価格の2週間の上昇率は過去17年で最大であった)。

膨大な原油在庫を抱え輸入量が減少した中国

 供給面を見ると、米シェール企業の生産はいまだマイナスに転じておらず、OPEC諸国も増産基調にある。ロシアの生産も2015年を通じて高水準で推移することが予想されている。このため世界の原油在庫は歴史的な高水準が当分続き、原油価格の上値を抑える展開が続くと見込まれている(2月2日の週の米原油在庫が1982年8月以来の最高水準となったため、2月11日の原油価格は48ドル台に下落した)。

 しかし、不透明な状況が続く中で筆者が注目しているのは、中国経済の減速など需要面から悪影響が出てくることである。

 2014年末、市場関係者の間では、今回の原油安の要因について「65~80%が供給面で、需要面は残る20~35%」として、需要面での影響は「逆オイルショック」の時と比べて少ないとされていた。確かに、現在の原油価格は需要面の要素はあまり織り込んでいない。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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