絵空事ではない中東発石油危機のシナリオ

財政悪化、周囲にテロリスト──「内憂外患」のサウジアラビア

2015.02.27(金) 藤 和彦
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サウジ新国王、内閣改造で独自色 前国王の息子ら解任

サウジアラビアの首都リヤドのキングハリド国際空港で、バラク・オバマ米大統領夫妻を出迎えるサルマン新国王(2015年1月27日撮影)〔AFPBB News

「サウジアラビアが国内の安全を脅かされる懸念から、イスラム過激派組織『イスラム国』へのスパイ潜入を試みている」

 2015年2月4日付の英紙「タイムズ」は、ISIL(いわゆるイスラム国)の情報収集の必要性を痛感したサウジアラビア政府がISIL内部へのスパイ潜入を試みていることを報じた。1月にISILがサウジアラビア北部のイラク国境地帯を襲撃し、サウジアラビア軍兵士3人を殺害した事件が発端だという。

 2014年9月、ISILがイラク南部を実質的に掌握したため、サウジアラビア政府はこれまでに国境警備隊を3万人増員するとともに、北側の国境に全長1450キロメートルに及ぶ「壁」を設置する工事に着手した。「壁」とは、国境に5重のフェンスを配備し、暗視カメラ等を駆使して付近で何かが動くとその情報が光ファイバーで瞬時に司令所と内務省に伝わるというハイテクシステムである。

 しかし、それでもサウジアラビアは襲撃に遭った。そのことにショックを受けた内務省幹部たちは、スパイをISILに潜入させて情報収集を開始したというわけだ。

 だが、その潜入は難航しているようである。内務省関係者が挙げる理由は「ISIL指導層の思考パターンが世俗とかけ離れている」というものだ。約2500人の国民がISILに参加しているサウジアラビア政府にとって、「ISILが次にどのような行動に出るのか予測できない」ことは悩みの種である。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

中東・アフリカ

チュニジアの「ジャスミン革命」に端を発した中東・アフリカの民主化運動。エジプトでは約30年続いたムバラク政権が終焉し、リビアでもカダフィ政権が崩壊に追い込まれた。各国の民主化運動はますます激しさを増し、緊迫した状況が続く。世界が注目する中東・アフリカ情勢をJBpress独自の情報網で伝える。

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