米国のイラン攻撃は間近か

 ウクライナ保安局は23日「ロシア産原油を東欧に運ぶドルジバ・パイプラインにつながるロシア領内タタールスタン共和国アルメチエフスク市近郊の施設をドローンで夜間攻撃した」と発表すると、ハンガリーとスロバキアが「ウクライナのパイプライン攻撃のせいでロシア産原油の供給が停止した」と激怒し、EUによる対ロ制裁第20弾の合意は流れてしまった。

 このように、ロシア産原油の世界市場への供給は比較的安定しているが、イラン産原油の供給を巡る状況は不透明さを増している。

 米国とイランは26日、スイスで核開発に関する高官協議を開き、来週、オーストリアのウィーンで実務レベルの協議をすることを決めた。

 予断を許さない状況が続く中、筆者は20日付のブルームバーグの論説記事に注目している。タイトルは「トランプ氏のイラン最後通告、IAEA会合と時期一致 昨年と同じ展開も」*1

*1トランプ氏のイラン最後通告、IAEA会合と時期一致-昨年と同じ展開も(ブルームバーグ)

 昨年6月の国際原子力機関(IAEA)理事会の非難決議の発出直後にイラン攻撃が実施された。IAEAの決議が攻撃に法的な正当性を与えたと言われている。次回のIAEA理事会は3月2日から5日間開催される予定だが、トランプ大統領の最後通告の期限(3月1~6日)とほぼ一致する。IAEAの新たな非難決議を口実に米国は再びイランに攻撃を仕掛けるのではないかというわけだ。

 イランは米軍の攻撃を予期した行動に出ている。

 データ分析企業クプラーによれば、15日から20日にかけて、ペルシャ湾に位置するイランの主要原油輸出拠点であるカーク島からの輸出量は約2010万バレル(日量平均300万バレル超)に達し、通常の輸出ペースを大きく上回った。昨年も米軍による空爆直前に、イランは大量の原油をタンカーに積み込んでいた。

 サウジアラビアも緊急時に備えた対応を始めたようだ。