おわりに

 インテリジェンスは、「国家生存の営み」の最も重要な柱の一つと言われる。

 諸外国は、インテリジェンスの有用性を認め、インテリジェンス機関を国家の行政機能の一つとして保持している。

 そして、国内外におけるインテリジェンス活動を公然・非公然に行っていることは世界の常識である。

 ところが、我が国ではいまだ真の意味のインテリジェンス機関が創設されていない。真の意味のインテリジェンス機関とは、非合法のスパイ活動や秘密工作を行う機関である。

 その理由の一つは、戦前の防諜機関であった憲兵、特別高等警察(いわゆる特高)の暗いイメージを想起させることなどが考えられる。

 もう一つは、平和憲法の理念から、相手国の法に触れかねない対外諜報活動は相手国との軋轢を生じることが懸念され、インテリジェンス機関の創設は論外とされてきたことなどが考えられる。

 早急に「普通の国への脱却」を図らなければならない。