ドットコム・バブル崩壊よりリーマン・ショックに似ている

 21世紀初頭のドットコム・バブルの崩壊が、参考例として挙げられることが多い。

 当時は株価急落のみで済んだため、他の金融市場に波及することはなかった。

 警戒すべきは、バブルの崩壊が金融システム全体を機能不全に陥れることだ。

 2008年のリーマン・ショックがまさにそれだった。米国の住宅バブルが崩壊したため、住宅ローン(サブプライム・ローン)が大量に焦げ付き、証券化商品が紙切れとなった。これを大量に保有していた銀行(リーマン・ブラザーズ)が破綻したことが災いして銀行間信用が麻痺し、世界規模の金融危機になってしまった。

 AI投資を巡る状況も似てきている。

 投資の多くはこれまで手持ち資金で賄われてきたが、データセンターなどへの投資が巨額になるにつれて借入依存が高まり、商業用不動産担保証券(CMBS)という名の証券化商品が市場で大量に販売されるようになっている。 

 AI投資が行き詰まれば、CMBS価格が急落し、金融市場が動揺することだろう。

 問題はインパクトの大きさだ。

 サブプライム関連の証券化商品の規模は約1兆ドルだったと言われているが、AI関連のCMBSの規模はそれを上回っている可能性がある。AI投資は3兆ドルを超える資金を必要とし、その多くが借り入れで賄われると想定されているからだ。

 AIバブル崩壊のインパクトは大きいと言わざるを得ない。

 要警戒のCMBS市場にはもう一つの心配がある。