(写真:Nobuyuki_Yoshikawa/イメージマート)
所得格差を示す「ジニ係数」によると、日本の所得格差が過去最大にまで広がっていることがわかりました。厚生労働省のデータによると、直近2023年のジニ係数は1962年の統計開始以来、過去最大の格差になったことを示しています。なかなか増えない賃金、止まらぬ物価高……。人々の暮らしは厳しくなるばかりです。では、ジニ係数とは、どのような数値なのでしょうか。やさしく解説します。
そもそも「ジニ係数」とは
ジニ係数(Gini coefficient)とは、イタリアの統計学者コンラッド・ジニ(1884〜1965)が考案した指数で、所得格差を表す代表的な指標です。1912年に発表された論文『変動性と可変性』の中で初めて紹介された後、改良を重ね、1915年ごろに現在の形が出来上がりました。
ジニ係数は、国全体の所得や資産がどのくらい平等に分配されているかを0と1の間の数値で示します。
例えば、国全体で1億円の所得があるケースを考えましょう。国の人口が100人で、全員にそれぞれ100万円の所得がある場合、不平等は全くありません。この場合のジニ係数は「0」です。一方、100人のうち1人が富を独占して1億円の所得があり、残りの99人は無所得の場合は、究極の不平等です。このケースのジニ係数は「1」。つまり、「0」(完全平等)に近いほど所得格差は小さく、「1」(1人が全所得を独占)に近いほど所得格差が大きいことを示しています。
また、ジニ係数の算出に際しては、税金や社会保険料を差し引く前の「当初所得ジニ係数」と、年金支給や社会保障給付などを加味した「再分配所得ジニ係数」が示されるの通例です。「当初所得ジニ係数」よりも「再分配所得ジニ係数」の値が低ければ、政府による再分配がうまく働き、格差の是正が進んだと言えます。
では、日本のジニ係数は、どんな変遷をたどってきたのでしょうか。