富の偏在、日本はまだマシ?
こうした格差拡大のなかで、富裕層は増え続けています。
野村総合研究所の推計では、ジニ係数が過去最悪となった2023年、純金融資産保有額1億円以上・5億円未満の富裕層は153.5万世帯、同5億円以上の超富裕層は11.8万世帯を数えました。富裕層と超富裕層の合計は約165万世帯、金融資産の保有総額は約469兆円。前回2021年の調査に比べ、世帯数は約11%、資産総額は約29%も増加しています。10年前の2013年と比較すると、世帯数も総資産額もほぼ倍増しました。
富裕層の拡大と世帯所得の落ち込み。こうした格差の実態は、ジニ係数にも明確に現れていると言えるでしょう。
もっとも、所得再分配後のジニ係数を見ると、様相はやや異なります。この数値は2000年代以降、0.37〜0.38の間で安定的に推移しており、格差拡大がピークに達した2023年も「0.3825」。社会保険給付などの政府による再分配機能がうまく働き、格差が改善したのです。
OECD(経済協力開発機構)に加盟する先進38カ国では、米国のジニ係数が最悪とされています。2023年は再分配後でも「0.484」。格差社会・米国と比べると、格差がひどくなってきたとはいえ、日本は「まだマシ」と言えるのかもしれません。